「Most Likely to Succeed」教育ドキュメンタリー映画を観た感想

2019年の春に「Most Likely to Succeed」の上映会に参加しました。

この映画については【FutureEdu Tokyo】のWebサイトで詳しく紹介されています。

こちらは「教育ドキュメンタリー」とカテゴライズされている映画です。
教育熱心な知り合いのママさんからおすすめされて、上映会に参加しました。
共感できる点がたくさんあり、子どもへの教育や子育てについてもあらためて深く考える良い機会となりました。
最近よく聞かれる、非認知能力(ライフスキル)の重要性や、学校だけではなく家庭で取り入れるべきことなど、親として学べることもとても多い映画です。

「Most Likely to Succeed」を観て感じたことや考えたことを書いてみたいと思います。

教育に携わる方だけではなく、これからの未来を支える子どもたちのために、お母さんお父さんにもぜひ1度観てもらいたい映画です。

Most Likely to Succeed とは?

【FutureEdu Tokyo】のWebサイトでは、この映画について次のように説明されています。

「Most Likely to Succeed」 は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、「学校は創造性を殺しているのか?」TEDトークで著名なケン・ロビンソン卿、カーンアカデミーのサルマン・カーン氏、ハーバード・イノベーション・ラボ所属の、トニー・ワグナー氏などの有識者や多くの学校取材を2年間積み重ねられ制作されたドキュメンタリー作品です。2015年の公開以来、5000以上の学校や図書館、公民館といった公共施設や、SXSW edu を含む教育カンファレンスなどで上映されています。

映画のあらすじについても、同サイトのブログで紹介されています。
Most Likely to Suceed のあらすじ

この映画の舞台になっているのは、アメリカ カリフォルニア州サンディエゴにある「High Tech High」という学校です。

High Tech Highはチャータースクールと呼ばれる学校で、州や学区によって認可されています。
このチャータースクールは、公的資金の援助を受けながらも、運営するのは民間の団体や組織という公設民営の学校です。
私が1番驚いたのが、学校のカリキュラムが運営団体や学区の方針によりかなり違いがあり、それぞれに柔軟に設定されているという点でした。
日本の学校のように、ガイドラインに沿った決められた教育ではなく、学校により様々な取り組みが行われているところに魅力を感じます。それと同時に、そのような教育を受けた子どもたちはどう育っていくのだろうという興味と少しの不安も感じました。

映画の舞台となっている「High Tech High」も、様々な特徴のあるカリキュラムで運営されています。
授業で何をどのように扱うかは担当教師の裁量に任されており、特定の教科書や試験、成績表はありません。
授業は「Project-Baced Learning」(PBL)という方法で行われており、それぞれのクラス単位でプロジェクトに取り組みます。
学期末に展示会が行われ、生徒たちの保護者や地域の人々が展示会を訪れます。その展示会が試験の代わりとなり、何を見せるのかがそれぞれの「学び」の成果につながるという学校です。

日々の授業風景は日本の『学校』というイメージとはとてもかけ離れたもので、新鮮でした。
日本でも国立や私立の学校で、成績表が無いという学校があるということを耳にしたことがあります。
試験が無いということにより、どのような評価をするのかということも気になりました。そもそも、評価とは何なのでしょうか。そんなことも考えました。

映画は主に、この「High Tech High」に通う2人の高校1年生に生徒に密着し、それぞれの成長や学びの様子を描いています。教師からはプロジェクトのテーマと課題のみを掲示されます。
その先は展示会へ向けて自分たちで考え、調べ、作り上げていくことになります。
プロジェクトは全て、生徒を中心に進んでいきます。
教師はあくまでもサポートする存在であり、あれこれと教える、伝える授業をする様子もありません。
また、クラスメイトもプロジェクトを一緒に進めていく大切な存在です。
このクラスメイトとの関係性も「学び」のための重要な要素となっていることがわかります。
共に考え、時にはぶつかり、様々な意見を出し合いながらやりとりを重ねていきます。これは実生活でも同じことですよね。
そのやりとりを通して、自分自身を見つめ直していく過程も描かれていました。
「学び」や人間の成長には自分1人だけではなく、人との関係性も重要な要素であるということをあらためて感じます。

自ら考える教育の必要性

この映画は、今なぜこのような教育が必要なのかという問い対して、時代背景や問題意識が丁寧に描かれています。

「人工知能 (AI) やロボットが生活に欠かせない、これから先の未来を生きていく子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」

現在の学校教育は、軍隊や農場や工場という組織の中で効率よく働き、より活躍できる人材を育てるために考えられた制度であることが説明されています。
整列する。チャイムで授業が始まる。名前を呼ばれたら手を挙げ、大きな声で返事をする。どこまでが本当に、教育に必要なことなのでしょうか?
自分が当たり前のように受けてきた教育に、ふと疑問を抱いた瞬間でした。
もちろん生活に必要なこともたくさん学んでいると思います。
時間を守ること。大きな声で挨拶をすること。でも、それができないと『だめ』『いけない』私自身はそんな風に教えられてきたように感じます。
協調性はもちろん大切ですが、団体生活を乱さないことが『良いこと』なのだと、当たり前に感じていたことに気がつきました。

これからの未来 テクノロジーの発達によりさらに目まぐるしく変化する社会において、どのような教育が必要なのかという「問い」に対し、様々な立場の人々がインタビューに答えています。

今の教育制度だけでは、もう通用しない時代を迎えているのだと感じました。

変わることの難しさ

この映画では、「なぜ、私たちは変われないのか」という点にもスポットを当てています。社会が変わってきていることは確かであり、これからもさらに変化していくことは誰がみても明らかです。
今までと同じようなやり方では通用しないとわかっているのに、「High Tech High」のような学校に進学することに対して、私たちは不安を覚えます。
私自身もとても魅力的に感じる反面、漠然と不安も感じました。
映画に登場する親や教師も、そのような不安を語っています。

  • 教科書にあるような知識を学習しなくても大丈夫なのか?
  • 本当にテストはしなくても良いのか?
  • 偏った知識になってしまうのでは?
  • 大学へ進学することができるのか?
  • 就職できるのか?
  • 子どもたちの将来が不安

映画の中には実際にこのような疑問を教師に打ち明ける親の姿もありました。その問いに対して、教師自身もはっきりと答えることができず悩んでいる様子も描かれています。
しかし、良い大学を卒業しても就職ができない学生たちがいるという現実を、親も教師もわかっています。
変わっていくことが必要だということは明らかなのに、なぜ変われないのでしょうか。

それは、やはりわからないからだと思います。

この映画に登場する子どもたちが実際に社会に出て活躍する未来は、10年後 20年後であり、そのときに社会がどのようになっているか誰にもわかりません。
また、「High Tech High」のような教育の効果についての長期的な調査結果もまだ出ていないそうです。
新しいことに挑戦するということは、先が見えず不安に思うことも多いです。誰もが皆. 手探りで答えのない「問い」を探しているように感じます。
私は教育者ではありませんが、子育てを通して、教育に正解はないのだろうなと日々感じています。

答えがないというのは、挑戦をすることと同じように人を不安にさせます。
生き生きと学ぶ子どもたちを信じて、明るい未来へ向かって前向きに変わっていけることを切に願います。

親としてできること

この上映会の後には、参加同士が話し合い意見交換をし合うディスカッションの場が設けられていました。
私が参加した上映回は、皆さん就学前のお子さんがいらっしゃる方々で、それぞれの感じたことや意見などもとても参考になりました。

映画を観て感じたことは本当にたくさんあるのですが、私が1番強く思ったことは、親も一緒に柔軟に変わっていかなければならないということです。

シンギュラリティ間近と言われる今、子ども達が身につけなければいけない能力とは、身につけて欲しい能力とは何なのでしょうか。
AIや人工知能と共に暮らしていく子ども達の世代に必要な教育とは、親としてできることとは?
わからないことだらけですが、一緒に考えながら少しでも時代に沿えるように私自身も変わっていかなくてはと感じています。
今までの常識が常識でなくなり、テクノロジーが人間を超えていく時代がやってきています。
不安もたくさんありますが、試行錯誤しながらこれからも教育について考えていければと思っています。

映画を観た後、主人にも絶対に観てもらいたい!と思い、別の上映会に参加してもらいました。
我が家にとって、教育について深く考える本当にいい機会になりました。
子どもたちにどうなっていって欲しいか?どんな教育を受けてもらいたいか?たびたび話し合いをするようになっています。
お子さんも、「静かに座って見られる」「日本語字幕が読める」場合には参加ができることもあるようです。小学校中学年以上のお子様にもおすすめです。

「Most Likely to Succeed」
機会があればぜひ1度観てみてください。

コメント

Copied title and URL